初花を語る上で絶対に外せないのが、食事処で提供される本格的な「うなぎ料理」の存在です。多くの温浴施設における食事は、幅広い客層に合わせた定食や麺類を中心とした構成になりがちですが、ここでは来館者の大半が「うな重」や「うなぎ御膳」を目当てに訪れるという異例の光景が日常となっています。
この特異なスタイルの背景には、施設の創業史が深く関係しています。もともと初代経営者がこの地で営んでいたのは「養鰻場」、すなわち食用うなぎの養殖池でした。養殖に必要な良質の地下水を求めて深さ数百メートルを掘削したところ、偶然にも良質な天然温泉が自噴。その湯の素晴らしさを一般に開放するために誕生したのが現在の施設です。つまり、温泉よりも前に「鰻のプロフェッショナル」としての確固たる歴史があったのです。
名物の「うな重」は、注文を受けてから熟練の調理人が丁寧に蒸し上げ、特製の秘伝タレをくぐらせて香ばしく焼き上げられます。外側はパリッと香ばしく、身は驚くほどふっくらと柔らか。温泉で芯からリラックスした身体に、滋味あふれる鰻の旨味が染み渡る体験は、他の追随を許さない初花ならではの醍醐味です。また、鰻が苦手な同伴者のためにも、山梨県産の鶏肉を用いた定食や季節の一品料理など、抜かりのない食事メニューが揃えられています。