実際に銀座水響亭を利用していた顧客たちは、この空間をどのように評価していたのでしょうか。大手グルメサイトのアーカイブ、SNS上の投稿、当時のコミュニティ掲示板などに残された膨大な口コミを精査すると、賞賛の声と同時にいくつかの本音も浮かび上がってきます。
圧倒的多数を占めたのは、やはり空間デザインに対する絶賛でした。「ドアを開けた瞬間に銀座の地下とは思えない青い光に包まれ、同伴相手やデートの相手が必ず息を呑んだ」「カウンター越しに泳ぐ熱帯魚を見ながら傾けるサントリー『響』のロックは格別だった」といった声が示す通り、特別な体験を演出する演出力にかけては右に出る店がありませんでした。特にプロポーズや記念日、絶対に外せない接待においては「切り札」として重宝されていた記録が数多く残されています。
一方で、シビアな食通やバー愛好家からは冷静な指摘も見受けられました。「雰囲気は満点だが、料理のコストパフォーマンスはやや割高に感じる」「水槽の近くの席は素晴らしいが、混雑時に案内される後方のテーブル席だと水槽が遠く、期待ほどの没入感が得られなかった」という意見です。水槽という強烈なアイコンがあるがゆえに、座席位置による体験格差が生まれやすかった点や、料理そのものの純粋なクオリティよりも「場所代」「雰囲気代」としての比重が高かったことは、客足が減少した局面においてリピート率の低下を招く一因となった可能性があります。