SNSのタイムラインは毎日、完璧に作られた成功体験で溢れ返っている。スマートな生き方、効率的なキャリア設計、要領の良い生き回し。そんなスマートな世の中だからこそ、汗と鼻水と涙を撒き散らしながら何かに打ち込む姿は、強烈なリアリティとなって胸を打つ。
人は完璧なエリートの成功談には嫉妬を覚えても、泥まみれになりながら壁にぶつかり、それでも前を向く人間には無条件で手を差し伸べたくなるものだ。過酷なキックボクシングの練習で息を切らし、打撃を喰らって顔を歪めながらも相手を睨みつける目。あの眼光こそが、彼女が自らの力で手に入れた本物のプライドだ。