誰も知らない』実話の衝撃真相!母はなぜ消えた?子供たちの現在とは

誰も知らない』実話の衝撃真相!母はなぜ消えた?子供たちの現在とは

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是枝裕和監督は、事件を知った直後の1989年から約15年もの歳月をかけて脚本を推敲し、本作を完成させました。しかし、メガホンを取るにあたって監督は、実話にあった最も残酷で凄惨なエピソードをあえて排除しています。事実は映画よりも遥かに昏く、凄惨でした。

項目実際の事件(巣鴨子供置き去り事件)映画『誰も知らない』演出・改変の意図と背景子供の人数・構成長男・長女・次男(乳児期に病死)・次女・三女の計5人明(長男)、京子(長女)、茂(次男)、ゆき(次女)の計4人実在した乳児の病死・隠匿を整理し、兄妹の絆と生活維持の物語に焦点を当てた。末妹の死因長男の不良仲間による暴行死(カップ麺を食べたことに激高した友人らが暴行)椅子からの転落事故・衰弱死(不慮の事故による病死)暴力的なグロテスクさを排除し、社会から見捨てられた子供たちの静かな悲劇を浮き彫りにした。遺体の遺棄場所埼玉県秩父市の山林(長男と友人がボストンバッグに入れて埋めた)羽田空港近くの野原(妹が好きだった飛行機が見える場所に埋葬)過酷な現実の中にある子供たちの純粋な祈りと情愛を象徴的に昇華させた。事件の発覚と結末家主の通報で警察が介入、長男は逮捕され少年院へ送致公権力の介入は描かれず、残された兄妹が街を歩き続ける姿で幕を閉じる単なる事件の解決ではなく、「彼らは今も私たちの隣で生きている」という強烈な問いかけ。

実話における最大の暗部は、三女(当時2歳)の死因です。現実の長男は、家庭に居場所がない寂しさからゲームセンターなどで知り合った年上の不良少年たちを部屋に引き入れていました。ある日、三女が不良少年のカップ麺を勝手に食べたことに腹を立てた少年らが激しい暴行を加え、長男もそれを止められずに一部加担。衰弱した三女は放置されて窒息死しました。

是枝監督は著書やインタビューの中で、「子供たちを単なる可哀想な被害者、あるいは異常な犯罪者としてセンセーショナルに描くことは避けたかった。あのアパートの中に確かに存在していたであろう、彼らなりの豊かな時間や愛情の営みを捉えたかった」と述懐しています。あえて暴力描写を封印し、日常の機微を徹底してすくい上げたことこそが、本作が単なる実録再現ドラマを超えた理由です。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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