名門が崩壊に至るプロセスは、突発的な単一の事件ではなく、長年蓄積されたガバナンスの機能不全が引き金となりました。日大フェニックスの処分経緯を振り返ると、構造的な問題の根深さが浮き彫りになります。
日本大学アメリカンフットボール部は、昭和から平成にかけて故・篠竹幹夫監督のもとで黄金期を築き上げました。日大アメフト部の歴代監督が受け継いできた強烈なリーダーシップと厳格な規律は、圧倒的な強さを生み出す原動力であった反面、指導者への絶対服従と閉鎖的な部活動文化という負の遺産も内包していました。
2018年に発生した悪質タックル問題で一度は関東学生連盟から出場停止処分を受け、再起を図ったものの、2023年に学生寮内で発生した違法薬物事件が決定打となりました。大学上層部による初動対応の遅れや調査の不透明さが社会的な批判を浴び、関東学生アメリカンフットボール連盟は同部に対して無期限資格停止および除名という最も重い処分を下しました。大学理事会は2023年12月、83年の歴史に幕を下ろす「廃部」を正式に議決しました。