通常の食器用中性洗剤と柔らかいスポンジでどれだけこすっても茶渋が落ちないのは、汚れの性質が一般的な油汚れや食べ残しとは根本的に異なるためです。お茶やコーヒー、紅茶に含まれるポリフェノールの一種であるタンニンやカテキンが、水道水中に微量に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分と化学反応を起こし、不溶性の重合体へと変化したものがステイン(茶渋)です。
このステインは時間が経つにつれて幾重にも層を重ね、食器の微細な凹凸に入り込んで強固に結晶化します。性質としては「酸性の頑固な蓄積汚れ」に分類されるため、中性洗剤では化学的な結合を断ち切ることができません。落とすためには、反対の性質を持つ「弱アルカリ性の洗浄成分」を用いて化学的に分解するか、適切な研磨力で物理的に剥ぎ取るアプローチが必要となります。