絵本の中で、日曜日の夜に卵から生まれたあおむしは、月曜日になると「りんごを ひとつ つつみ」食べ進める。なぜエリック・カールは、最初の食べ物にイチゴやバナナではなく、りんごを選んだのか。
色彩心理学の専門家は「視覚が発達途上にある幼児にとって、緑の葉や背景に対して補色関係にある鮮烈な赤は、脳を最も強く刺激するカラー」と指摘する。さらに、コラージュ技法(薄紙を重ねて着色する独特の手法)で描かれたりんごのテクスチャは、単色ではない深いグラデーションを持ち、子どもの立体認知能力を無意識のうちに引き出している。