伝説の怪優・岸田森の知られざる真実:カリオストロと特撮の名演

伝説の怪優・岸田森の知られざる真実:カリオストロと特撮の名演

伝説の怪優・岸田森の知られざる真実:カリオストロと特撮の名演の基本情報から最新動向までを一挙に解説しました。

岸田のキャリアを語る上で欠かせないのが、新劇の名門「文学座」での修行時代である。芥川比呂志らに師事し、正統派の劇壇で鍛え上げられたセリフ術と身体表現は、彼のアクターとしての強固な土台となった。しかし、彼は単にクラシックな新劇の枠にとどまる人間ではなかった。日本の演劇界が大きな変革期を迎えていた1960年代、アングラ演劇や実験劇の運動にも積極的に関与し、表現の領域を貪欲に広げていったのである。

その演劇的素養がスクリーンの上で開花したのが、1970年代に一世を風靡した東宝の怪奇映画シリーズだった。当時、日本の映画産業はテレビの普及や観客層のシフトによって大きな構造変化の真っ只中にあった。その中で公開された一連の作品で、彼は従来の恐怖映画にありがちな大げさな怪演とは一線を画す、知性的でありながら底知れぬ狂気を秘めた人物像を構築した。舞台仕込みの発声と緻密な計算に基づいた立ち振る舞いは、日本のホラー映画史に新たな金字塔を打ち立てた。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。