ホームスタジアム「スタイエン(Stayen)」に足を運ぶと、日本のメディアが報じる華やかなイメージとは異なる、骨太な現場のリアリティが見えてきます。人工芝ピッチ特有の球速の速さと、激しいボディコンタクトの音がスタンドに響き渡ります。
買収当初、地元の古参サポーターからは「伝統あるクラブが日本の実験場にされるのではないか」という強い警戒感や反発の声も上がっていました。しかし、冨安健洋や遠藤航が見せた献身的なプレー、そしてチームを勝利に導くプロフェッショナリズムが、徐々にファンの心を掴んでいきました。現在では、スタジアム周辺のパブで現地サポーターが日本人選手の名前をチャント(応援歌)にして叫ぶ光景が完全に定着しています。
現地の熱狂的なサポーターは取材に対し、「国籍は関係ない。このユニフォームのために戦い、誇りをもたらしてくれる選手を我々は愛する」と語ります。一方で、ベルギーメディアの論調は常にシビアです。結果が出なければ、起用されたシントトロイデン監督の手腕とともに「日本人選手への依存過多」が容赦なく批判の対象となります。ぬるま湯など微塵も存在しない、極めて緊張感の高い査定環境がそこにはあります。