本作の緊迫感を極限まで高めているのが、シリーズ屈指の悪役として名高い魔女レディナの存在です。かつてマヤナ国の神官でありながら、禁忌の術に手を出して追放された彼女は、女王に呪いをかけ、国を滅ぼそうと企みます。
レディナが視聴者に与えた衝撃は凄まじく、今なお「ドラえもん映画屈指のトラウマ」として語り継がれています。冷酷非道な性格はもちろん、ティオを慕う健気な少女・ククルを容赦なく拉致し、操り人形のように精神支配してティオを襲わせる展開は、子ども向け映画の域を完全に凌駕していました。
さらに、終盤で明かされるレディナの老醜と執念、そして「太陽の力を手に入れて永遠の若さと支配を得る」という剥き出しのエゴイズムは、人間の業そのものを描き出しています。生贄の儀式や崩壊する神殿の不気味な美術設定も含め、ダークファンタジーとしての完成度の高さが物語に強烈な説得力を与えています。