大改装を終えて産声を上げた大正湯の姿に、長年通い詰める古参ファンからも歓声が上がっている。今回の改修プロジェクトが目指したのは、単なる設備の近代化ではない。創業時からの意匠をミリ単位で保存・修繕しながら、見えない給排水パイプラインやろ過システム、熱効率の高いエコ設備へと心臓部を一新する難工事だった。
湯船の底に敷き詰められた玉石タイルは職人の手作業で磨き上げられ、現代の基準に合わせた柔らかな間接照明が、飴色に輝く柱の木目を際立たせる。さらに今回、復活を記念して常連客や来訪者の間で争奪戦となっているのが、先着限定で配布される「特注・復刻木札キーホルダー」と「朝湯特別招待パス」だ。かつての下足札と同じ欅(けやき)材を切り出して職人が手彫りした記念品は、手にした者だけが味わえる至高の愛着を生んでいる。リニューアルに伴い導入された限定の薬草湯ブレンド茶の試飲サービスも、入浴後の乾いた喉を優しく潤してくれる。