ドリームコア(Dreamcore)の根底にあるのは、「夢の論理」で構築された世界観だ。そこでは物理法則や日常の常識が少しずつズレている。空に目玉が浮かんでいたり、どこまでも続く廊下の先に青空が広がっていたりする。しかし、それはスプラッター映画のような直接的な暴力やグロテスクさを伴わない。むしろ、パステル調の穏やかなトーンや、過剰に露出オーバーな光の中に、ひっそりと不条理が紛れ込んでいる。
この美学が強烈なデジャブ(既視感)を喚起する理由は、初期デジタルカメラやVHSテープ特有の粗いテクスチャにある。1990年代後半から2000年代初頭の視覚言語を模倣することで、鑑賞者の無防備な少年少女時代の感覚を直接ノックする。だが、再生されるのは温かな思い出ではない。「何かが決定的に間違っている」という静かな狂気だ。