酸化マグネシウムの下痢を「単なる薬の効きすぎ」と軽視してはならない最大の理由が、重篤な酸化マグネシウムの副作用である高マグネシウム血症の存在です。厚生労働省および医薬品医療機器総合機構(PMDA)からも、長期投与や腎機能障害患者における死亡例を含めた重篤な副作用として、度重なる安全性速報が出されています。
本来、体内に吸収されたごくわずかなマグネシウムは腎臓から速やかに尿中へ排泄されます。しかし、腎機能が低下している方や高齢者が下痢を起こすほどの量を連日摂取し続けると、血液中のマグネシウム濃度が異常上昇します。下痢に伴って次のような症状が重なった場合は、酸化マグネシウムの下痢による病院受診目安として極めて危険なサインです。
- 立ち上がれないほどの激しい倦怠感・脱力感
- 吐き気・嘔吐、または異常な口の渇き
- 脈が遅くなる(徐脈)、血圧の急激な低下
- 皮膚の潮紅(顔が異常に赤くなる)、眠気、意識がボーッとする
また、酸化マグネシウムの飲み合わせ注意についても細心の警戒が必要です。胃酸を抑える「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」や「H2ブロッカー」を併用すると胃内pHが上昇し、酸化マグネシウムの溶解度が低下して効果が不安定になります。反対に、骨粗鬆症治療で用いられる「活性型ビタミンD3製剤」や「カルシウム製剤」、あるいは牛乳などの乳製品を過剰摂取すると、高カルシウム血症やアルカリ血症を引き起こす「ミルク・アルカリ症候群」を誘発し、腎障害を急激に悪化させる危険性があります。ニューキノロン系やテトラサイクリン系の抗生物質を併用する場合も、キレートを形成して抗菌薬の吸収を著しく阻害するため、服用間隔を最低2時間以上空けなければなりません。