日本の刑法において、どのような罪に禁錮刑が科されるのか。その判断基準は「犯意の悪質性」と「過失の度合い」に深く結びついている。
禁錮刑が選択される代表例が、自動車の運転により人を死傷させる過失運転致死傷罪や、業務上過失致死傷罪などの「過失犯」だ。悪意を持って罪を犯したわけではないものの、重大な不注意によって他者の生命を奪ってしまったケースである。また、内乱罪や政治犯など、破廉恥(道徳的に非難されるべき性質)ではない信念に基づく犯罪に対しても、歴史的に禁錮刑が規定されてきた。
対照的に、窃盗、詐欺、強盗、殺人といった「故意犯」には懲役刑が科される。社会秩序を故意に乱した者には労役を通じて贖罪を求め、過失によって事故を起こした者には自由の剥奪のみにとどめる。この二元論が、長きにわたり量刑相場の根幹を成してきた。