インターネット上の検索窓に遠藤雄弥の名前を入れると、関連ワードとして「現在」「消えた」「引退」といった言葉が候補に出現することがあります。しかし、これは実情を知らないライト層による典型的な錯覚に過ぎません。
地上波テレビのバラエティ番組や民放キー局のトレンディな恋愛ドラマへの露出が減ったため、普段ミニシアターや国際映画祭の動向を追わない層から「露出が減った」と誤認されているのが事実に即した構造です。実際には引退どころか、商業主義のライトなコンテンツから、映画史に爪痕を残す作家性の高いプロジェクトへと主戦場をシフトさせたに過ぎません。
D-BOYSを卒業した20代半ば以降、遠藤は安易なテレビ露出のオファーに頼るのではなく、国内外の気鋭監督のオーディションやインディペンデント作品の現場に自ら飛び込みました。消費されるタレントではなく、生涯をかけて追求する「表現者」としての基盤作りに心血を注いできたのです。そのストイックな選択の結実が、カンヌでの喝采や『辰巳』での高い評価につながっています。