現役引退後の二人が選んだ新たな挑戦が、2019年10月に東京都世田谷区でオープンしたカフェ&バー「Sunny Thirty Two Club(サニーサーティーツークラブ)」の共同運営でした。
看板だけのタレントショップではなく、日高裕次郎さん自らが店頭に立ち、本格的なドリップコーヒーやこだわりの料理、セレクトグッズを提供するスタイルは瞬く間に評判を呼びました。木村さんもエプロン姿で接客を行い、愛犬たちと触れ合えるコミュニティスペースとして地域住民やバレーファンから熱烈な支持を獲得しました。コロナ禍という飲食業界にとって最悪の逆風下でも、テイクアウトやオリジナルグッズの開発に注力し、実直な経営努力で黒字を維持し続けた手腕は高く評価されています。
そして二人の人生は、2023年に決定的な節目を迎えます。2023年2月28日、第1子となる男の子が誕生しました。長男の誕生を機に、二人はライフスタイルの再設計を決断。多忙を極める店舗営業に一区切りをつけるため、2023年末をもって「Sunny Thirty Two Club」の実店舗営業を終了しました。
木村沙織さんの公式Instagram(@saoriiiii819)や日高さんの発信を見ると、2026年現在は3歳を迎えた息子の育児を生活の中心に据えつつ、POP UPイベントの開催やライフスタイルブランドの企画など、時間に縛られない柔軟な事業展開を行っている様子がうかがえます。自然豊かな環境で子供と愛犬をのびのびと育てる日常は、多くの共感を呼んでいます。
【プロの結論】トップアスリートの引退後パートナーシップに見る「心理的安全性」
現代のスポーツ心理学や家族社会学の知見に照らし合わせても、日高裕次郎さんと木村沙織さんの夫婦関係には、セカンドキャリアを成功させるための重要なモデルケースが存在します。
引退直後のスター選手に必要なのは、さらなる名声や富ではなく「何者でもない自分を受け入れてくれる心理的安全性」です。日高さんは同じ競技の厳しさを知る理解者でありながら、決して妻のキャリアに干渉しすぎず、健全なバウンダリー(心理的境界線)を保ち続けました。妻が脚光を浴びる場面では一歩引き、生活の現場では主導権を握って支える姿勢は、自己肯定感の安定した人間でなければ成立しません。
この事例から導き出せる「パートナーシップの判断基準」は明確です。相手の知名度や社会的な肩書に依存する関係は長続きしませんが、相手の環境変化を柔軟に受け止め、家庭というプライベート空間を安全基地にできる関係こそが、長期的な幸福をもたらします。