人間の体には2種類の汗腺が存在します。全身に広く分布し体温調節を担う「エクリン汗腺」と、脇の下、外耳道、乳輪、陰部(会陰部)など特定の部位に密集する「アポクリン汗腺」です。アポクリン汗腺の特徴は、本来無臭であるタンパク質、脂質、アンモニア、糖質などを豊富に含んだ粘り気のある分泌液を出す点にあります。これが皮膚表面の常在菌(コリネバクテリウムなど)によって分解されることで、低級脂肪酸などの特有物質が発生し、ワキガ臭へと変化します。
また、体質はメンデルの法則に従う優性遺伝であることが分子生物学的に判明しています。具体的には16番染色体上にあるABCC11遺伝子の型によって耳垢の乾湿やアポクリン汗腺の機能が決定づけられます。ワキガ遺伝確率と家族歴の観点では、片親がワキガ体質の場合は約50%、両親ともにワキガ体質の場合は約80%の確率で子どもに遺伝します。後天的に突然アポクリン汗腺の数が増えることはなく、思春期の性ホルモン分泌の活発化に伴って休眠していた汗腺が機能を始めるため、10代前半で発症を自覚するケースが大多数を占めます。
医療現場におけるワキガ軽度重度の判定基準および治療方針の比較は下表の通りです。