電撃婚から年月を経て、作品内の現実的な時間の流れとともに、田中家の生活も大きな変遷を遂げています。現在、夢子と夫・一の間には2人の男の子(長男・元輝、次男・結輝)が誕生し、温かくも賑やかな4人家族を築いています。
長男の元輝(げんき)が誕生したのは単行本44巻(COOK.430)でのこと。陣痛が始まった夢子を支え、慌てふためきながらも父親としての自覚に目覚めていく田中の姿とともに描かれた出産劇は、読者の涙を誘いました。さらに単行本78巻(COOK.767)では次男の結輝(ゆうき)が誕生。夢子は二度の出産と育児休業を経験しながらも、金丸産業の第一線へ力強く復帰を果たしています。
作中のエピソードでも象徴的なのが、田中家が家族で九州各地を旅する団欒の数々です。夫の一が購入したデジタル一眼レフカメラを使い、夢子が一・元輝・結輝の親子3人でパスタを頬張る瞬間を撮影した写真が見事懸賞でグランプリを獲得。賞品のSL人吉とくま川鉄道に乗って熊本県湯前町へ家族旅行に出かけるエピソードなど、家族の強い絆と幸福感が丁寧に描かれています。
かつては頼りなかった夫の田中も、現在では家庭で料理の腕前を存分に振るい、子育てに積極的に関わる父親へと劇的な成長を遂げました。息子の元輝や結輝もすくすくと育ち、思春期を迎える過程で父親とぶつかり合いながらも、母・夢子の豪快で愛情深い眼差しのもとで健やかに成長しています。2026年現在の連載状況においても、荒岩家と並ぶもう一つの「理想の家族像」として、作品の屋台骨を支えています。