敗血症の脅威から身を守るために、私たちはどのような防壁を築くべきなのでしょうか。根本的な敗血症の予防法は、感染症そのものを未然に防ぐ、あるいは軽症のうちに完治させることに尽きます。
具体的には、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの定期的な接種、糖尿病などの持病の厳格なコントロール、皮膚の創傷や虫刺されを不衛生に放置しないこと、そして毎日の入念な口腔ケアが挙げられます。特に高齢者の口腔内細菌は誤嚥性肺炎の主因となり、そこから敗血症へ波及するケースが後を絶ちません。
そして最も重要なのが、家庭における「受診の判断基準」をあらかじめ決めておくことです。医療機関へ行くべきか迷った際は、以下の明確な境界線に従って行動してください。
- 即座に救急車(119番)を呼ぶべき状態:
「呼びかけに対する反応が鈍い・つじつまが合わない」「肩で息をしていて苦しそう」「顔色が土気色で唇が紫」「自力で立ち上がれないほどの脱力」。これらはすでに臓器不全やショック状態に突入しているサインです。 - 当番医や救急外来を至急受診すべき状態:
「悪寒でガタガタと震えが止まらない(悪寒戦慄)」「排尿時の激痛や背中の激痛を伴う高熱」「市販薬を飲んでも悪化の一途をたどる倦怠感」。 - 自宅で経過を見てよい状態:
水分や食事が十分に摂れており、呼吸も穏やかで、意識が明瞭かつ会話が普段通り成立している軽微な風邪症状。
家族の誰かが「なんとなく普段と様子が違って気味が悪い」と感じたその直感は、多くの救急現場で正解であることが証明されています。迷ったときは「#7119(救急安心センター事業)」などの相談窓口を活用しつつ、躊躇なく専門の医療機関へつなぐ勇気を持ってください。