歌詞に登場する「蛇の目(じゃのめ)」とは、紙に油を引いた和傘の一種である蛇の目傘を指します。傘の中央と外側に色を塗り分け、開いたときにヘビの目のような同心円模様に見えることからその名がつきました。
武骨で実用本位だった「番傘」に比べ、蛇の目傘は骨が細く、色鮮やかで高級感のある装飾が施されていました。大正期において、蛇の目傘は女性のおしゃれな外出用アイテムとしての地位を確立していたのです。
つまり子どもにとって、「お母さんが自分のために、普段使いの番傘ではなく、綺麗でおしゃれな蛇の目傘を差して学校まで迎えに来てくれた」という出来事は、たまらなく誇らしく、誇示したいほどの嬉しさだったわけです。「じゃのめでおむかえ」という短いフレーズには、母への憧れと誇りがぎゅっと凝縮されています。