漠然とした不安を解消するためには、感情論ではなく客観的な統計数値を把握することが欠かせません。一般に妊娠全体の流産率は約15%とされていますが、その大半は妊娠12週未満の初期流産に集中しています。しかし、週数が進むにつれてそのリスク曲線は急激に下降していきます。
日本産科婦人科学会などの報告を総合すると、心拍確認後の流産確率は全体で約3〜5%程度にまで落ち着きます。裏を返せば、9週の壁を乗り越える確率は95〜97%に達するということです。「壁」という言葉の響きから、まるで半数近くが脱落するかのような錯覚を抱きがちですが、圧倒的大多数の胎児が力強く成長を継続しています。
また、よく混同される概念として「12週の壁との違い」が挙げられます。妊娠9週の壁が「胎児の主要な器官形成と初期の生命維持」に関わる関門であるのに対し、12週の壁は「初期流産(妊娠12週未満)と後期流産(妊娠12週〜22週未満)の法医学的・臨床的な境界線」を指します。12週を越えると受精卵側の偶発的なトラブルによる流産は激減し、胎盤の完成に伴って妊娠継続率は盤石なものへとシフトします。