寝ながら泣くという症状は、日常的なストレス反応の範疇に収まるものから、専門的な治療が必要な精神疾患や神経障害まで多岐にわたります。特に注意すべきは、うつ病の初期症状として現れる情動失調と、睡眠時随伴症(パラソムニア)に代表される睡眠障害の鑑別です。
うつ病の初期には、セロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の分泌バランスが崩れ、些細な刺激や無刺激の睡眠中であっても抑うつ感情が極大化します。「朝目覚めた瞬間に言いようのない絶望感がある」「涙が止まらず身体が鉛のように重い」といった自覚症状が伴う場合は、単なる過労の域を脱している可能性が高いと言えます。
一方、中高年以降に注意が必要なのが「レム睡眠行動障害(RBD)」です。通常、レム睡眠中は全身の筋肉の緊張が弛緩し、夢の内容に合わせて身体が動かないようロックがかかります。しかし、脳幹の運動抑制機構に異常が生じると、夢体験に伴って大声で叫ぶ、暴れる、激しく泣き崩れるといった異常行動が現実の身体運動として現れます。以下の比較表で、自身の状態がどのフェーズに位置しているかを客観的にチェックしてください。