どれほど慎重に対処していても、不測の事態で蜂に刺されてしまう可能性はゼロではありません。蜂毒による重篤なアレルギー反応であるアナフィラキシーショックは、刺されてからわずか15分以内に血圧低下や呼吸不全を引き起こし、最悪の場合は心停止に至ります。刺傷直後の初動対応がまさに生死を分けます。
刺された瞬間に取るべき処置フローは以下の通りです。
1. 速やかな現場退避:刺された場所の周辺には、仲間の蜂がフェロモンに誘われて集まってくる危険があります。速やかに姿勢を低くして20〜30メートル以上離れた安全な屋内へ避難してください。
2. 毒針の確認と除去(ミツバチの場合):ミツバチに刺された場合、皮膚に毒嚢(どくのう)がついた針が残ります。これを指でつまむと残った毒が体内に注入されてしまうため、プラスチックのカードや爪の先を使い、皮膚の表面を横に滑らせるようにして弾き飛ばします。
3. 傷口の流水洗浄と毒の圧出:傷口を指で強くつまみ、体液と一緒に毒を絞り出しながら、冷たい水道水で洗い流します。蜂毒のタンパク質は熱に弱く水に溶けやすいため、流水で冷やしながら洗うことで毒の吸収を大幅に遅らせることができます。市販のポイズンリムーバーがあれば、患部に当てて確実に毒液を吸引除去します。口で毒を吸い出す行為は、口内粘膜から毒が吸収されるため厳禁です。
4. 薬の塗布と患部冷却:抗ヒスタミン成分およびステロイド軟膏を患部に厚めに塗り、保冷剤や氷嚢で冷やして炎症の拡大を防ぎます。
【超緊急の警戒シグナル】:刺されてから数分〜15分以内に、全身のじんましん、冷や汗、唇や舌の腫れ、めまい、激しい吐き気、息苦しさ(喉の狭窄感)などの症状が1つでも現れた場合、一刻の猶予もありません。迷わず即座に119番通報し、救急車を要請してください。過去に刺された経験がある方は、体内に抗体が作られているため、2回目以降の刺傷で劇症型ショックを発症する確率が跳ね上がります。