北海道の旅における最大の醍醐味といえば、豊かな海の恵みです。「北海道の海鮮は冬が本番」と思われがちですが、実は6月こそが特定の超一級食材の解禁期に重なる黄金期です。
筆頭に挙げられるのが、日本海沿岸・積丹(しゃこたん)半島のウニ漁解禁(例年6月1日解禁)です。透明度抜群の「積丹ブルー」の海で育った天然のエゾバフンウニやキタムラサキウニは、初夏の冷たい海水と良質な昆布を食べて極上の甘みを蓄えます。ミョウバンを一切使用しない獲れたての生ウニ丼は、6月から8月までの限られた期間にしか味わえない至高の贅沢です。
さらに、噴火湾沿岸で水揚げされる大粒のホタテや、道東沿岸で初夏に水揚げが始まる「時鮭(トキシラズ)」、さらには花咲ガニなど、初夏ならではの味覚が市場を賑わせます。冷涼な海がもたらす旬の味わいは、まさに6月を訪れる旅人だけに許された特権です。
そして大自然の体験において外せないのが、世界自然遺産に登録されている知床の観光クルーズです。6月のオホーツク海は、冬季の流氷が完全に去り、深緑に染まり始めた知床連山が青海原に映える圧巻の景観を描き出します。
この時期は野生動物の目撃率が年間でもトップクラスを誇り、ルシャ湾周辺の海岸線で餌を探すヒグマの親子や、羅臼沖を回遊するシャチ、マッコウクジラ、ミンククジラとの遭遇確率が飛躍的に高まります。ただし、陸上では過ごしやすい陽気であっても、海上のクルーザー上では冷たい海風を直接受けるため、真冬並みのフリースや風を通さないウインドブレーカーの着用が義務レベルで求められます。