日本高血圧学会が提示する最新の診断指針において、家庭で測定する血圧の基準値は診察室での測定基準よりも厳格に定められています。リラックスした自宅環境では白衣高血圧(緊張による血圧上昇)が起きにくいためです。診察室血圧では「140/90mmHg以上」が高血圧とされますが、家庭血圧の基準値は「135/85mmHg以上」が高血圧の確定ラインとなります。
朝と夜の血圧差が極端に開いている状態は、水道のホースに毎朝急激な高圧をかけて揺さぶり続けているようなものです。長年の臨床疫学調査では、早朝高血圧を抱える人は、血圧が終日安定している人と比較して、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクが2〜3倍以上に跳ね上がることが判明しています。特に心筋梗塞や脳卒中などの血管疾患は、起床後数時間以内の午前6時から午前10時前後に多発することが統計的にも証明されています。
朝と夜の血圧差が20〜30mmHg以上開いているモーニングサージ型の場合、脆弱になった動脈硬化の内壁が破れ、血栓が形成されて血管を詰まらせるリスクが跳ね上がります。「夜が低いから平均すれば大丈夫」という認識は医学的に完全な誤りです。