Q1:肝斑と老人性色素斑が重なってできている場合、どちらから先に治療すべきですか?
A1:医学的な大原則として、「まず肝斑の沈静化から着手する」のが鉄則です。肝斑が活動的で炎症を起こしている状態のまま老人性色素斑を除去しようと強いレーザーを当てると、肝斑が劇的に悪化し広範囲の黒ずみを生じる危険があります。まずはトラネキサム酸の内服や低刺激ケアを2〜3ヶ月継続して肝斑のトーンを落とし、メラノサイトの過敏状態を鎮静させてから、残った明確な老人性色素斑に対してピンポイントの照射を行うのが最も安全で確実な順序です。
Q2:トラネキサム酸の市販薬(OTC)と皮膚科の処方薬では何が違うのですか?
A2:主成分であるトラネキサム酸の「配合量(用量)」と「併用成分の設計」が異なります。薬局で購入できる第一類医薬品の肝斑改善薬は、安全性を考慮してトラネキサム酸の1日用量が750mg程度に抑えられている製品が多く、また連続服用が2ヶ月までに制限されています。一方、医療機関では医師の診察と血液検査の確認のもと、症状の重症度に応じて1日1,000mg〜1,500mgの至適用量を処方でき、個々の体質や肝斑の経過に合わせた長期的なマネジメントが可能です。
Q3:日焼け止めを毎日塗っていれば、肝斑の予防や改善には十分でしょうか?
A3:紫外線遮断は必須条件ですが、日焼け止め「だけ」では不十分です。肝斑は紫外線だけでなく、ホルモンの変動や「日焼け止めを塗る際・落とす際の摩擦」によっても容易に悪化します。塗布する際は指の腹で肌を押さえ込むように優しく伸ばし、摩擦を最小限に抑える配慮が不可欠です。また、肝斑のメラノサイトは可視光線(ブルーライト等)の刺激でも活性化することが分かっているため、酸化鉄などが配合されたトーンアップ効果のある日焼け止めやパウダーを重ね、物理的な遮光性を高める工夫が推奨されます。