全身麻酔や開腹手術を受けた患者の術後管理において、腸蠕動音の回復を確認することは、経口摂取再開への重要なマイルストーンです。
麻酔薬の影響や手術操作による侵襲によって、消化管の運動は一時的にストップします。一般的に、術後の腸管回復は均一ではなく、小腸(術後数時間〜24時間)➜ 胃(24〜48時間)➜ 大腸(48〜72時間)という時間差の順序をたどります。
術後早期に右下腹部でかすかなグル音が聴取され始め、排ガス(おなら)や自発的な排便が確認されることで、消化管全体の協調運動が戻ったと判断されます。術後数日が経過しても腸音が戻らず腹部膨満や嘔気が続く場合は、術後麻痺性イレウスや縫合不全などの合併症を警戒し、速やかな超音波・CT検査などの精査が求められます。