そもそも血圧の「上」と「下」は何を示しているのか、その物理的なメカニズムを理解することが原因究明の第一歩です。上の血圧(収縮期血圧)は、心臓が力強く収縮して血液を全身に送り出した瞬間に血管壁へかかる最大の圧力を指します。一方で、下の血圧(拡張期血圧)は、心臓が拡張して血液を溜め込んでいる間、つまり心臓からの押し出し圧がゼロになっている瞬間に、全身の血管内に残っている「最低限の圧力」を示しています。
日本高血圧学会が策定する高血圧治療ガイドラインにおいて、診察室血圧で最低血圧 90以上(90mmHg以上)、あるいは家庭血圧で85mmHg以上が記録される場合、収縮期血圧の値にかかわらず「拡張期高血圧(孤立性拡張期高血圧)」と判定されます。
では、なぜ心臓が休んでいるはずのタイミングで圧力が下がらないのでしょうか。拡張期血圧 高い 理由の核心は、全身に張り巡らされた毛細血管の手前にある「細動脈」の締め付けにあります。心臓から送り出された血液は、末梢の細い血管を通って全身へと運ばれますが、この細動脈がギュッと細く収縮すると血液がスムーズに流れず、渋滞を起こして血管内部に強い圧力がかかり続けます。この抵抗を医学用語で末梢血管抵抗と呼びます。太い大動脈が柔らかい若年層では上の血圧が上がりにくい一方、末梢血管抵抗が高まることで「下だけが跳ね上がる」という特有の現象が発生するのです。