角界の歴史を掘り起こす上で、組織の骨格を創り上げた2人の巨頭を外すことはできない。出羽海秀光と栃錦清隆である。昭和の激動期、出羽海秀光は各部屋の割拠によって分散しがちだった相撲界を強い統制下に置き、現代へと続く日本相撲協会の組織的骨組みを完成させた。彼の決断がなければ、戦後の混乱期に大相撲がこれほど速やかに復興を果たすことは難しかったはずだ。
20年の長きにわたり君臨した栃錦清隆は、まさに「中興の祖」と呼ぶにふさわしい。膨大な資金調達と政治的な交渉を重ね、1985年に現在の両国国技館を完成させた。新国技館の建設は単なる興行場の新築にとどまらず、自前の大型不動産・エンターテインメント拠点として相撲協会を確固たる財政基盤へと導く歴史的快挙だった。彼の先見の明が、現代の力士たちの処遇や協会の安定経営を支えている。