羽二重餅を口に運んだ誰もが驚くのが、噛む必要すら感じさせないほど繊細な口どけです。一般的な「求肥(ぎゅうひ)」や「大福の皮」と何が異なるのか、原材料と製法の観点から検証します。
羽二重餅の主原料は、極めてシンプルです。 主に「餅粉(または粒子を極限まで細かく製粉した羽二重粉)」「砂糖」「水飴」の3点のみで構成されています。添加物や保存料を極力使わず、シンプルな素材だけであの食感を生み出す鍵は、配合比率と独自の「蒸し練り技術」にあります。
一般的な求肥は餅粉に対して砂糖を同量〜2倍程度加え、火にかけて練り上げますが、羽二重餅はよりキメの細かい米粉を選定し、水飴の比率を高めに設定して長時間の蒸気加熱と力強い撹拌(かくはん)を繰り返します。これにより、米のデンプンが完全に糊化(アルファ化)し、水分と糖分が均一に結びつきます。糖分が持つ高い保水力によって、時間が経ってもデンプンが硬くなる「老化現象」を抑え、絹のようなきめ細やかさとみずみずしい舌触りを長期間保つことが可能になるのです。
1個(約20g前後)あたりのカロリーは約60〜70kcalとヘルシーでありながら、しっかりとした満足感が得られるのも特徴です。余計な油脂分を一切含まないため、素材本来の上品な甘みと米の風味がダイレクトに伝わります。