芦原妃名子氏は、長年にわたり少女漫画の第一線で活躍し続けた表現者だった。島根県を主な舞台に描かれた代表作『砂時計』は、少女漫画の枠を超えて幅広い世代の心をつかみ、コミックス累計発行部数は数百万部に達した。同作は実写映画化およびテレビドラマ化もされ、彼女の名を不動のものとした。
その後も卓越した心理描写と現実的な人間模様を描く手腕は冴え渡り、『Bread & Butter』や『セクシー田中さん』といったヒット作を次々と世に送り出した。特に『セクシー田中さん』は、昼は地味なOL、夜は情熱的なベリーダンサーという二つの顔を持つ主人公を通して、自己肯定感や女性の生き方を温かく描いた作品であり、多くの読者から絶大な支持を集めていた。