エイとマンタの決定的な違いとは?毒針の有無と見分け方を徹底検証

エイとマンタの決定的な違いとは?毒針の有無と見分け方を徹底検証

エイとマンタの決定的な違いとは?毒針の有無と見分け方を徹底検証の真相について、分かりやすい解説を基に徹底解説します。

海洋生物の展示施設や実際のダイビング現場において、プロの飼育員やインストラクターはどのような基準で両者を判別しているのか。SNSや観察コミュニティでも話題に上る、現場目線の実態を紐解いていく。

現場において最も実用的なのが、水族館でのエイとマンタの見分け方である。巨大水槽の前に立った際、以下の3つのチェックポイントを意識するだけで、数秒以内に同定が可能となる。

第一の観察点は「頭部にある角(ツノ)の有無」だ。マンタには頭部の左右前方に突き出たヘラ状のヒレ(頭鰭)がある。遊泳時にはこれを丸めてツノのように突き出し、摂食時には広げてスプーンのように使う。一般的なエイにはこのような頭鰭が存在しないため、頭部に2本のツノ状突起があればマンタ(あるいは近縁のイトマキエイ類)であると即断できる。

第二の観察点は「ガラス面を這い上がる姿と口の構造」である。水族館で来館者を喜ばせる「エイがガラス面に張り付いて笑っているように見える姿」は、底生性のエイ特有の光景だ。あの目玉のように見える器官は「鼻の穴(鼻孔)」であり、その下にある横一文字の線が「口」である。これに対し、マンタはガラス面に張り付くことはなく、口は腹面ではなく体の正面先端についているため、ガラス越しに腹側を見せても「人の顔」のようなコミカルな配置には絶対にならない。

第三の観察点は「推進力の生み出し方」だ。アカエイやヒョウモンオトメエイなどは、大きな胸鰭の外縁部を細かく波打たせる「波動遊泳(undulatory locomotion)」を行うため、ゆったりと砂地を這うように進む。一方のマンタは、鳥が空を飛ぶのと全く同じ原理の「揚力型遊泳(oscillatory locomotion)」を採用しており、胸鰭全体をダイナミックに上下に羽ばたかせて中層を滑空する。このダイナミックな空中飛翔のような動きこそが、ダイバーを魅了してやまないマンタ固有の躍動感である。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。