移住や転居を検討する際、ネット掲示板やSNSで囁かれる「治安悪化の噂」に不安を覚える人は少なくありません。噂の背景にあるのが、群馬県太田市人口外国人比率の高さです。2026年時点の統計において、太田市の総人口約22万人のうち外国人住民は約1万2,000人(構成比約5.5%)を占めており、隣接する大泉町とともに北関東で最も多国籍化が進んだエリアの一つとなっています。
しかし、警察署の犯罪統計データおよび現地取材から浮かび上がる太田市治安評判の現実は、ネットの偏見とは大きく異なります。
群馬県警が発表する刑法犯認知件数の推移を検証すると、太田市の犯罪発生率は県内主要都市(高崎市・前橋市・伊勢崎市)と同水準か、むしろ凶悪犯罪に関しては抑制傾向にあります。かつて南一番街(歓楽街・飯田町周辺)で生じていた客引きやトラブルも、度重なる条例改正と警察・行政・地域住民による合同パトロールの定着によって大幅に沈静化しました。
太田市は1990年代の入管法改正以降、日系ブラジル人労働者などをいち早く受け入れてきた歴史があり、多文化共生推進プランに基づいたポルトガル語・スペイン語・英語・ベトナム語等での公的案内や学校教育支援を30年以上にわたりアップデートしてきました。異文化が日常に溶け込んでいるため、住民間の相互理解はむしろ他地域より進んでいるのが実情です。