法的な開示手続きが完了した後、当事者間ではどのような現実が待っているのでしょうか。裁判記録や被害者の手記、法廷取材から見えてくる「開示のその後」は極めてシビアです。
あるインフルエンサー被害者は、過去の取材において次のように述懐しています。
「『匿名だからバレない』『みんな言っているから大丈夫』と軽い気持ちで書き込んだ相手の素性を開示してみたら、ごく普通の会社員や主婦でした。自宅に届いた弁護士からの通知書を見てパニックになり、泣きながら謝罪と示談を求めてきたのが現実です」
投稿者を特定した後の「示談金相場と慰謝料」は、被害内容によって以下のように推移します。
・名誉毀損(社会的評価を低下させる虚偽事実の流布):慰謝料 50万〜100万円超(法人の場合は数百万円規模に発展することも)
・侮辱(「バカ」「消えろ」などの人格攻撃・侮辱表現):慰謝料 10万〜30万円前後
・プライバシー侵害・肖像権侵害(本名や住所、無断撮影写真の晒し):慰謝料 20万〜50万円前後
実務上の示談交渉では、被害者が支払った「弁護士費用や調査費用の実費(約50万〜80万円)」が慰謝料に上乗せされて請求されるのが一般的です。その結果、1回の悪質な中傷投稿に対し、最終的な示談金の支払額が100万〜150万円に達する事例が頻発しています。支払えない場合は給与や預金口座の差し押さえ(強制執行)が行われるため、加害者側の生活基盤が根底から揺らぐことになります。