スーパーの店頭に並ぶ根深ネギ(長ネギ)は、土に埋まって日光を浴びずに育った「白い部分(葉鞘部)」と、地上で太陽の光をたっぷり浴びて育った「青い部分(葉身部)」で、全く異なる栄養特性を持っています。農林水産省の分類基準において、白い部分は「淡色野菜」に属しますが、青い部分は「緑黄色野菜」に位置づけられています。つまり、1本のネギの中に2種類の異なる野菜が同居している状態です。
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2026年版」のデータを精査すると、その差は歴然です。抗酸化作用を持つβ-カロテンは白い部分の数十倍から百倍近く含まれており、皮膚や粘膜の健康維持、免疫力強化に直結します。さらに、コラーゲンの生成を助けるビタミンCや、骨を形成するカルシウム、造血に欠かせない葉酸においても、青い部分が白い部分を大きく上回っています。
「ネギの青い部分は捨てるもの」という思い込みは、栄養学的な観点から見れば、最も滋養に富んだ緑黄色野菜パートをわざわざ生ゴミにしているのと同義です。ネギの青い部分は完全に食べられるどころか、日々の食卓に取り入れるべき一級品の健康食材です。