「じゃがまるくん」がこれほどまでに人々の記憶に刻まれている背景には、当時放映された印象的なテレビCMの存在と、学校給食を通じた原体験の刷り込みという二重のカルチャーが存在します。
テレビCMでは、リズミカルでコミカルなメロディとともに、可愛らしいキャラクターが「じゃがまるくん」の美味しさをアピールする演出が採用されました。土曜日の夕方やアニメ番組の合間に頻繁に放映されたこのCMソングは、当時の小学生を中心に瞬く間に浸透し、「おなかがすいたら、じゃがまるくん」というフレーズが子供たちの合言葉となったのです。
さらに興味深いのは、製品の終売と前後して「学校給食の人気メニュー」として全国各地で独自進化を遂げた点です。茹でて潰したじゃがいもに片栗粉を混ぜ、甘辛く味付けした豚ひき肉やチーズを包んで揚げる、あるいはオーブンで焼くこのメニューは、栄養価が高く児童の嗜好に合致することから、栄養士たちの間で標準的な献立レシピとして共有されました。
市販の製品を食べたことがない平成後期生まれやZ世代の若年層であっても、「給食のじゃがまるくんが大好きだった」と語るケースが多いのは、この学校給食用レシピが全国の自治体で長年にわたり受け継がれてきたからに他なりません。