ネット上のファッションまとめやSNSで散見される情報の中には、実用性を欠いた誤解も少なくありません。
「夏はとにかく半袖のテーラードジャケットが涼しくて便利」という説が一部で囁かれますが、これは視覚的なバランスが極めて難しく、腕の露出によってスーツ本来の構築美が損なわれやすいため、初心者が手を出すと失敗するリスクが跳ね上がります。涼しさを求めるのであれば、長袖ジャケットで裏地を排したアンコン仕立て(一枚仕立て)を選び、必要に応じて袖を軽く捲るほうがはるかにこなれた大人の佇まいになります。
また、「リネン100%のシワこそがアジである」という主張もビジネスの場では通用しにくいのが現実です。電車移動や長時間のデスクワークで背中や腕に深いシワが入ると、単なる手入れ不足と受け取られかねません。日常使いにおいては、ポリエステルやレーヨンが混紡された防シワ加工のイージーケアファブリックを選ぶのが現代の賢明なアプローチです。