出版直後、世間をさらに憤慨させたのは、元少年Aが取ったさらなる暴走でした。2015年9月、元少年Aは「存在の耐えられない透明さ」と題する公式ウェブサイトを開設。自作の奇怪なイラストや、全裸に近い異様な自身の写真を公開し、週刊誌の記者宛てに自己顕示欲に満ちたメッセージを送りつけるなどの行動に出たのです。
この事態に対し、週刊文春は2016年に元少年Aを東京都内で直撃取材しました。記者の問いかけに対し、少年Aは威嚇するような眼光で睨みつけ、激しい言葉で記者を恫喝して逃走。その姿には、手記で綴られていた「深い内省と贖罪の念」とは程遠い、凶暴性と自己愛の肥大化が生々しく残されていました。
山下彩花さん(当時10歳)の遺族や、淳君の父親である土師守氏は、こうした少年Aの一連の行動に対し、「手記の出版そのものが私たちへの精神的な暴力であり、二次加害である」「加害者が有名人のように振る舞い、自らの罪をエンターテインメントとして消費させている」と強く非難しました。出版後も続く精神的苦痛は、司法制度が被害者遺族を守り切れていない日本の法構造の限界を赤裸々に露呈させました。