再婚によって始まった新しい生活の中で、横山さんは義父から激しい差別と虐待を受けることになります。義父は自らの血を引く2人の弟たちを可愛がる一方で、血のつながりのない横山さんに対しては冷酷な態度を取り続けました。
日常的に棒などで叩かれる激しい暴力を受け、家の中に居場所を完全に失った横山さんを救ったのが、母方の祖父母でした。祖父母は横山さんを引き取り、愛情を注いで育て上げました。横山さんにとって祖父母こそが「真の育ての親」であり、心の拠り所となっていたのです。
しかし、中学2年生の時に祖父が心臓病で倒れたことをきっかけに、再び母と義父の暮らす家へ戻らざるを得なくなります。家庭内の冷え切った空気や義父との確執は変わらず、横山さんは中学卒業後、高校へは進学せず建設現場での肉体労働(配管工・鳶職など)に就く道を選びました。「少しでも早く自立して自分の力で生きていく」という強い覚悟の表れでした。