契約社員の満了期が近づくにつれ、労働者が直面する最大のショックが契約社員 満了 退職金の有無です。多くの契約社員は「正社員と同じように週5日フルタイムで働き、組織に貢献してきたのだから、数年分の退職金は出るだろう」と考えがちですが、実態は冷酷です。
日本の法律上、退職金の支払いは企業の義務ではありません。厚生労働省の「就労条件総合調査」等を見ても、有期契約社員に退職金制度を用意している企業は全体のわずか数%にとどまります。最高裁の判例(メトロコマース事件等)においても、契約社員に対して退職金を不支給とすること自体は、正社員との職務内容や登用制度の有無、配置転換の範囲などを総合勘案した結果、「不合理な待遇格差(旧労働契約法20条・現パート有期法8条違反)とまでは言えない」と判示されています。契約満了を迎えて退職する際、退職金が1円も振り込まれない事態は、法的には何ら異常なことではないのが日本の現実です。
さらに注目すべきは、2026年最新の法改正動向とそれに伴う企業実務の変化です。2024年4月に施行された改正労働基準法施行規則により、すべての企業に対して以下の2点が義務化されました。
1つ目は、「更新上限の有無とその内容の明示」です。契約締結時および更新時、契約期間に通算何年という上限があるのか、あるとすれば何年何回までなのかを書面で明示しなければならなくなりました。2つ目は、「更新上限を新設・短縮する場合の事前説明」です。従来のように「次回の更新から上限を4年にします」と会社が一方的に通告することは禁じられ、なぜ上限を設けるのか、その理由をあらかじめ労働者に説明する義務が課されています。
この法改正により、突然の雇い止めはある程度抑制されたものの、現場では別の歪みが生じています。採用当初の求人票に最初から「通算契約期間は最長4年11ヶ月(更新上限あり)」と明記し、労働者が納得して入社したという外形を作り出すことで、将来的な無期転換を確実に回避しようとする企業が増加したのです。入り口の段階で上限がガチガチに固められている場合、後から契約社員 更新上限の撤廃を労働者個人が勝ち取ることは極めて困難な闘いとなります。