平安貴族の服装の真実|十二単20Kgの謎と束帯・狩衣の裏ルール

平安貴族の服装の真実|十二単20Kgの謎と束帯・狩衣の裏ルール

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平安時代の女性貴族を象徴する「十二単(じゅうにひとえ)」。この名称は後世の『源平盛衰記』などで広まった通称であり、正式名称は「五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)」と呼びます。12枚の着物を着ていたわけではなく、「単(ひとえ)」の上に「五衣(いつつぎぬ)」と呼ばれる5枚の袿(うちぎ)を重ね、その上に「打衣(うちぎぬ)」「表着(うわぎ)」「唐衣(からぎぬ)」を着て、腰に「裳(も)」を結びつける複雑な構造です。

長年囁かれてきた「総重量20kg説」の真偽を確かめるべく、現代の風俗考証データや装束復元実験の記録を検証すると、正装一式の総重量はおよそ15kg〜20kgという数値が確認できます。上質な生絹(すずし)や綾織物を贅沢に何層も重ね、さらに丈の長い引き裾を引きずるため、成人女性が米袋20kg分を全身に背負って歩くような負荷が実際にかかっていました。

ただし、ここで多くの人が誤解している歴史の盲点があります。女性貴族はこの重量級の装束を毎日着用していたわけではありません。五衣唐衣裳は朝廷の国家的儀式や宮中の重大な晴れの日に限られた「正装」です。屋敷内で過ごす普段の生活では、動きやすさを重視した「小袿(こうちぎ)」や単、あるいは袿姿で過ごしていました。女性貴族の日常着と正装の間には、明確な機能性の境界線が引かれていたのです。

佐藤 大輔
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佐藤 大輔

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