山口組の最高権力争いにおいて、現在焦点となっているのが六代目山口組の後継者問題です。警察庁の組織犯罪対策部関係者や地下ジャーナリズムの間で、七代目の座に最も近い人物として名前が挙がり続けているのが、若頭補佐を務める三代目弘道会会長・竹内照明氏です。
司忍組長、高山清司若頭という組織のトップ2はいずれも名古屋に本拠を置く弘道会出身であり、仮に竹内氏が跡目を継承した場合、三代続けて弘道会から組長が誕生することになります。かつて山健組を中心とする関西勢が主流を占めていた山口組において、弘道会による絶対的な権力掌握を決定づける人事といえます。
竹内照明氏は1960年生まれで、指定暴力団幹部の中では世代交代を担う適任の年齢層に位置しています。高山清司若頭の秘蔵っ子として知られ、弘道会内部での統率力や上納金の吸い上げシステム、鉄の規律を維持する手腕は組織内でも抜きん出ています。内部関係者への取材によると、「組織の引き締めと経済活動の両輪を回せる人材は、竹内会長を置いて他に見当たらない」という評が定着しており、弘道会の跡目継承ルートは既定路線とみる向きが支配的です。
かつては他派閥の重鎮や若頭候補による権力闘争が取り沙汰された時期もありました。しかし、直系組長(直参)の粛清や再編を経て、現在執行部の要職は弘道会出身者および同派に忠誠を誓う親密組織によって固められています。組織内における異論を挟む余地はほぼ排除されており、山口組若頭後継争いという激しい内部衝突のリスクは、弘道会一強体制のもとで事実上封じ込められているのが実態です。