除菌ブームの中で急激に普及したのが「次亜塩素酸水」や「二酸化塩素」を用いた除菌です。カビやウイルスに対する高い分解力を持つ反面、これを加湿器に入れて噴霧することの是非については、医療関係者や行政の間で厳しい議論が交わされてきました。
製品評価技術基盤機構(NITE)や厚生労働省の公式見解では、次亜塩素酸水の「物品に対する清拭消毒」の有効性を認めつつも、人がいる空間での加湿器等による継続的な噴霧については安全性が確立されていないとして推奨していません。液体としては低毒性であっても、霧状になった微細ミストを24時間吸気し続けた場合の上気道や気管支粘膜への長期的な影響について、十分な臨床データが存在しないためです。
現場のユーザーからも、「加湿器に次亜塩素酸水を投入して運転したところ、家族全員の喉にイガイガした刺激感が生じた」「部屋に置いてあったパソコンやAV機器の金属端子が数ヶ月で白く腐食した」といったトラブルが報告されています。さらに極めて危険なのが、「次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤)」を誤って加湿器に入れる行為です。これは強アルカリ性の腐食性毒物であり、噴霧すれば急性肺障害や塩素ガス中毒を引き起こす命に関わる過ちです。絶対に混同してはなりません。