「薄手の服からキャミソールが透けて見えるのは、マナー違反なのか」。この問いに対する結論は、「外着として設計されたインナーを計算づくで見せているなら完全にアリ、下着感の残るインナーが不意に透けているならナシ」という極めて明確な境界線に集約されます。
一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協議会関連の動向や服飾心理学の観点から見ると、他者がその人の装いに違和感を覚える最大のトリガーは「露出の面積」ではなく「意図の曖昧さ」にあります。レースのトリミング、細すぎるゴムストラップ、薄手のテロッとした光沢素材など、「本来は衣服の中に隠す設計」で作られたランジェリーが透けていると、見る側に「見えてはいけないものを目撃してしまった」という心理的居心地の悪さ(視覚的バウンダリーの侵害)を生じさせます。
一方で、あえて見せるインナー着こなしとして成功しているスタイルは、生地の厚みや襟元のカッティング、リブ編みの質感などによって「これはトップスの一部である」という記号を明確に発信しています。透け感そのものが悪なのではなく、透けている対象が「下着」に見えるか「レイヤードアイテム」に見えるか。このわずかな質感の差が、洗練と品位を決定づけています。