本作が深夜ドラマの枠を超えて熱狂的な支持を集めた最大の要因は、主要キャストたちの凄まじい演技合戦にあります。
クズ夫から殺人犯へと転落する正隆を演じた北山宏光は、序盤の傲慢で無気力な佇まいから、極限状態に追い詰められて精神を蝕まれていくグラデーションをリアルに体現。これまでのアイドル像を完全に脱ぎ捨てた泥臭い怪演は、批評家や視聴者から絶賛を浴びました。
一方、夫を愛するあまり狂気に手を染める妻・雪映役の中村ゆりの存在感も圧巻でした。冷徹に死体を処理し、夫の不始末を隠蔽しようとする冷酷さと、母性や女としての弱さが入り混じった複雑な心理描写は、観る者を惹きつけて離しませんでした。
さらに、物語の引き金となる夏川萌役を演じた萩原みのりの危うい儚さ、執拗に夫婦を追い詰める佐野役・深水元基の放つ圧倒的な恐怖感など、実力派の共演陣がドラマの緊張感を最高潮に押し上げました。