かつて若者を雪山へ呼び寄せた明るい雰囲気は、今作において巧みな「罠」として機能する。本作は、雪に閉ざされた孤立無援の山荘で起きる連続不可解事件を描く本格的なサスペンス・ミステリーだ。
実写ドラマ化作品として脚本化されるにあたり、若者たちが歓喜した「無料パス」という設定は、「逃げ場のない山頂へと誘い込まれる無料招待チケット」という恐ろしいプロットへと巧妙に反転された。猛吹雪によって通信が途絶した極寒の密室で、登場人物たちが一人また一人と姿を消していく緊迫感は、息をのむ美しさと恐怖が同居する映像美によって表現されている。