日本テレビ放送網の水曜ドラマ枠で放送された『偽装不倫』は、既存の恋愛ドラマの枠組みを鮮やかに覆す意欲作だった。原作はヒットメーカー・東村アキコによる同名コミック。「既婚者」と嘘をついてしまった主人公と、その秘密を受け止めながら惹かれ合う年下の美青年。このスリリングかつ繊細な物語の主役に抜擢されたのが杏であり、その相手役として彗星のごとく現れたのが宮沢氷魚だった。
当時、杏はすでに数多くの名作を牽引してきたトップ俳優。対する宮沢は、モデルから俳優へと足場を固めつつある注目の新鋭だった。二人が並んだ瞬間の圧倒的な透明感と洗練された佇まいは、原作ファンすらも一瞬で魅了した。嘘から始まる恋というスキャンダラスな設定を、どこまでもピュアで切ない人間賛歌へと昇華させたのは、間違いなくこの二人が放つ唯一無二のアンサンブルだったと言える。