華々しいデビューの陰には、あまり知られていない下積み時代が存在する。高校卒業後、声優を目指して「勝田声優学院」に通い始めた彼女だが、最初から順風満帆だったわけではない。学費と生活費を稼ぐため、昼間は都心で働くOLとして汗を流していたのだ。
池袋のサンシャイン60にある展望台での案内係や、東京都庁での非常勤職員、さらにはエレベーターガールや電話応対など、あらゆる接客・事務作業を経験。早朝から夕方まで働き、夜は養成所で腹式呼吸やセリフの稽古に打ち込むという超多忙な日々を送っていた。当時の苦労を彼女自身も「本当に余裕がなかったけれど、人間観察の格好の場所だった」と後に振り返っている。この泥臭い社会人経験こそが、のちに演じる多様なキャラクターたちの「生々しい人間味」の原動力となった。