俳優デビュー後、着実に舞台や小劇場で演技の基礎を磨き上げた和田正人の名を全国区へと押し上げたのが、2013年度後期のNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』です。ヒロインの幼馴染・源太(ゲン太)役を情熱的かつ人間味豊かに演じ切り、「あの好青年は誰だ」と大きな話題を呼びました。
そして、彼のキャリアと人生が奇跡的に交差した代表作が、2017年放送の日曜劇場『陸王』(TBS系)です。和田正人が演じたのは、実業団「ダイワ食品」の陸上部員・平瀬孝夫。怪我や年齢と戦いながらチームのために最後の走りに挑むランナーの苦悩と誇りを、自身のリアルな挫折経験と重ね合わせるように熱演しました。
本物のランナーだからこそ表現できる美しいフォームと、滲み出る感情のリアリティは、多くの視聴者の涙を誘いました。単なる元スポーツ選手の枠組みを超え、役に命を吹き込む実力派としての評価を不動のものにした象徴的な瞬間です。