車椅子の天才物理学者スティーヴン・ホーキングは生前、「宇宙創生に神の出番はなかった」と述べ、刺激的な議論を世界中に巻き起こした。彼は重力法則さえ存在すれば、宇宙は無から自己生成が可能だと主張した。しかし、彼の晩年の研究ノートや遺志を引き継ぐ現代の宇宙物理学は、更なる深層へと足を踏み入れつつある。
ホーキングが残した方程式の行間には、単なる「無」の否定にとどまらない、時空の根底にある法則そのものの起源という新たな壁が立ちはだかる。法則そのものはどこから来たのか。彼の遺志を継ぐ若手理論家たちは、虚時間や重力波の極小データから、ホーキングが到達し得なかった新しい地平を切り拓こうとしている。